学研全訳古語辞典 |
わか・る 【別る・分かる】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
別々になる。分かれる。
出典万葉集 三一七
「天地(あめつち)のわかれし時ゆ」
[訳] ⇒あめつちの…。
②
別れる。離別する。
出典古今集 離別
「むすぶ手の雫(しづく)に濁る山の井の飽かでも人にわかれぬるかな」
[訳] ⇒むすぶての…。
③
区別がつく。相違がはっきりする。
出典源氏物語 帚木
「中の品になむ、人の心々、おのがじしの立てたる趣も見えて、わかるべきこと、かたがたに多かるべき」
[訳] 中流階級(の女性の場合)にこそ、それぞれの心や、おのおのが考えている主義・主張も現れて、(優劣の)相違がはっきりするだろうことが、さまざまに多いにちがいない。
あか・る 【離る・別る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
散り散りになる。別々になる。
出典源氏物語 空蟬
「うちそよめく心地して、人々あかるるけはひなどすなり」
[訳] ざわざわと衣(きぬ)ずれの音をさせる感じがして、人々が別れていく気配などがするようだ。
参考
「あかる」と「わかる」の違い 「あかる」は「つどふ」の反対語で、多くの人々が集まった場所から離れて別れていく意味を表し、主語が複数の場合に使われている。それに対して「わかる」は、「あふ」の反対語で、一つのものが別々になる意味が原義であり、単数の主語にも使われる。
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