学研全訳古語辞典 |
よきひとの…
分類和歌
「よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野(よしの)よく見よよき人よく見」
出典万葉集 二七・天武天皇(てんむてんわう)
[訳] 昔の立派な人が、よい所だとよく見て、よいといったこの吉野をよく見なさい。今の立派な人もよく見なさい。
鑑賞
天武天皇が吉野の宮(=離宮)に、皇后と草壁皇子をはじめとする六皇子を率いて行幸した際の歌。昔、壬申(じんしん)の乱の折にここで結束した人々が、この地をほめたことを伝え、今の皇子たちにも、今後もよく見よと諭している。「よし」と「見る」とをことば遊びのように反復させ、俳諧味(はいかいみ)あふれる調べで歌うのは、あるいはこれが、宴席で即興的に披露されたためであったか。
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