学研全訳古語辞典 |
わ
《接続》文末に付く。〔感動・詠嘆〕…よ。…わ。
出典止動方角 狂言
「おのれが世話を焼かするによって、落つまい馬からまで落つるわ」
[訳] おまえが世話を焼かせるから、落ちるはずのない馬からまで落ちるよ。
参考
係助詞「は」の文末用法が、中世ごろ発音どおり「わ」と表記されるようになった。現代語の「行くわ」などの「わ」と同じ。近世にはほかの終助詞「い」「え」「さ」「な」が付き、「わい」「わえ」「わさ」「わな」のように用いられる。
わ
《接続》文節の切れ目に付く。〔呼びかけ〕…よ。
出典万葉集 三三四六
「小子(わくご)どもいざわ出(い)で見む」
[訳] 年少の者たちよ、さあよ出て見よう。◆上代語。
わ 【倭・和】
もと、中国から日本をさして呼んだ語。のちに、日本人自身も用いるようになったが、「わ琴(ごん)」「わ書」などと、接頭語的に用い、それが日本のものであることを示すことが多い。
わ 【我・吾】
私。▽自称の人称代名詞。
出典万葉集 三三七
「憶良(おくら)らは今はまからむ子泣くらむそを負ふ母もわを待つらむそ」
[訳] ⇒おくららは…。
わ- 【我・吾】
相手を表す語に付いて、親愛の情や軽く見る気持ちを表す代名詞をつくる。「わ殿」「わ主(ぬし)」◆「和」とも書く。
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