学研全訳古語辞典 |
かつ-がつ 【且つ且つ】
①
ともかく。何はともあれ。不満足ながら。
出典源氏物語 明石
「思ふことかつがつかなひぬる心地して、涼しう思ひゐたるに」
[訳] (明石入道(あかしのにゆうどう)は)念願がともかくかなった気持ちになって、すがすがしい思いでいたところ。
②
とりあえず。
出典大鏡 花山
「かつがつ式神(しきがみ)一人、内裏(だいり)へ参れ」
[訳] とりあえず式神一人、宮中へ参内せよ。
③
早くも。真っ先に。
出典平家物語 七・返牒
「わが山の衆徒(しゆと)、かつがつ以(もつ)て承悦(しようえつ)す」
[訳] (源氏が優勢なので)わが(比叡(ひえい))山の僧侶(そうりよ)たちは、早くも喜んでいる。
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