学研全訳古語辞典 |
いずれ 【何れ】
⇒いづれ
いづ-れ 【何れ】
①
どれ。▽不定称の指示代名詞。
出典源氏物語 桐壺
「いづれの御時(おほんとき)にか、女御(にようご)・更衣あまたさぶらひ給(たま)ひける中に」
[訳] どの帝(みかど)の御代(みよ)であったろうか、女御や更衣がたくさんお仕えしておられたなかに。
②
いつ。▽不定称の指示代名詞。
出典古今著聞集 五四五
「いづれのころのことにか、山僧あまたともなひて、…、竹生島(ちくぶしま)へ参りたりけり」
[訳] いつのころのことであろうか、比叡(ひえい)山の僧が大勢連れだって、…、竹生島神社にお参りをした。
③
どこ。どちら。▽不定称の指示代名詞。
出典竹取物語 ふじの山
「いづれの山か天に近き」
[訳] どこの山が天に近いか。
いずれにしても。どちらにせよ。
出典文相撲 狂言
「『さて、今のはそれがしが負けか』『いづれ、お勝ちとは見えませぬ』」
[訳] 「さて、今の勝負は私の負けか」「いずれにしても勝ちとは見えません」。
参考
[一]は事物・時・場所などについて、多くのものの中から不定の一つを選ぶ場合に用いる。
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