学研全訳古語辞典 |
いずち 【何方・何処】
⇒いづち
いづ-かた 【何方】
①
どちら。▽方向・方面について用いる。
出典方丈記
「いづかたより来たりて」
[訳] どちらから来て。
②
どれ。
出典徒然草 一八八
「いづかたをも捨てじと心にとり持ちては」
[訳] どれをも捨てまいと心にこだわりがあっては。
③
どこ。
出典平家物語 二・小教訓
「いづかたへもしのばせ給(たま)へ」
[訳] どこへでもお隠れなさい。
④
どなた。
出典平家物語 灌頂・六道之沙汰
「いづかたより訪づるる事もさぶらはず」
[訳] どなたから便りのくることもございません。⇒いづち・いづへ・いづら
いづ-ち 【何方・何処】
どこ。どの方向。▽方向・場所についていう不定称の指示代名詞。
出典平家物語 九・木曾最期
「おのれはとうとう、女なれば、いづちへも行け」
[訳] おまえは早く早く、女なので、どこへでも(逃げて)行け。◆「ち」は方向・場所を表す接尾語。⇒いづかた・いづこ・いづら・いづれ
いづ-へ 【何処・何方】
どのあたり。どちら。▽場所についていう不定称の指示代名詞。
出典万葉集 四一九五
「霍公鳥(ほととぎす)いづへの山を鳴きか越ゆらむ」
[訳] ほととぎすは、どのあたりの山を鳴いて越えているだろうか。
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