学研全訳古語辞典 |
あ-が 【吾が・我が】
私の。▽相手を呼ぶ語の上に付いて、親しみの気持ちを表すことが多い。
出典源氏物語 玉鬘
「あが姫君」
[訳] 私の姫君。
参考
中古に代名詞「あ」に格助詞「が」が付いて一語化したもの。上代の「あが」は連体詞とはしないで、「あ」と「が」の二語とみなす。⇒あ(吾)
わ-が 【我が・吾が】
分類連語
①
〔「が」が主格を表して〕私が。
出典続後撰集 羇旅・金槐集雑
「箱根路(はこねぢ)をわが越え来れば伊豆(いづ)の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」
[訳] ⇒はこねぢを…。
②
〔「が」が連体格を表して〕私の。
出典万葉集 四二九一
「わが宿のいささ群竹(むらたけ)吹く風の音のかそけきこの夕べかも」
[訳] ⇒わがやどの…。
③
自分の。(その人)自身の。
出典源氏物語 桐壺
「わが身はかよわく、物はかなき有り様にて」
[訳] (桐壺更衣(きりつぼのこうい)は)自分自身の身は病弱で、何となく頼りないようすで。
参考
「わが」は現代語では連体詞だが、古文では、代名詞「わ」+格助詞「が」からなる二語として扱う。同様のものに「この・その」などがある。
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