学研全訳古語辞典 |
なご-やか・なり 【和やかなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
ものやわらかだ。温和だ。
出典源氏物語 橋姫
「驚き顔にはあらずなごやかにもてなして」
[訳] あわてたようすではなく、ものやわらかに振る舞って。
②
静かだ。穏やかだ。
出典源氏物語 手習
「昔の山里よりは、水の音もなごやかなり」
[訳] 以前にいた山里(の宇治)よりは、(小野の里は)水の音も静かである。◆「やか」は接尾語。
にこ-やか・なり 【和やかなり・柔やかなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
もの柔らかだ。しとやかだ。
出典源氏物語 梅枝
「にこやかなる方の御なつかしさは」
[訳] (文字の)もの柔らかな面(=筆づかい)の御好ましさは。
②
にこにこしている。◆「やか」は接尾語。②は近世以降に使われる。
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