学研全訳古語辞典 |
うそ-ぶ・く 【嘯く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
口をすぼめて息をつく。息をきらす。
出典万葉集 一七五三
「暑けくに汗かきなげ木(こ)の根取りうそぶき登り」
[訳] 暑い時に汗をかきながら木の根っこをつかんで息をきらせて登り。
②
そらとぼける。
出典更級日記 初瀬
「とみに舟も寄せず、うそぶいて見まはし」
[訳] (船頭たちは)急には舟を寄せないで、そらとぼけて辺りを見回し。
③
口笛を吹く。
出典宇津保物語 初秋
「この蛍をさし寄せて、包みながらうそぶき給(たま)へば」
[訳] この蛍を近寄せて、(袖(そで)に)包んだままで口笛をお吹きになると。
活用{か/き/く/く/け/け}
(詩歌を)口ずさむ。吟ずる。
出典徒然草 六〇
「心を澄ましてうそぶき歩(あり)き」
[訳] 心を澄ませて詩歌を口ずさんで歩き回り。
うそ-む・く 【嘯く】
「うそぶく」に同じ。
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