学研全訳古語辞典 |
ふさが・る 【塞がる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
閉じる。
②
立ちふさがる。
出典平家物語 一一・嗣信最期
「馬の頭(かしら)を立て並べて大将軍の矢面(やおもて)にふさがりければ」
[訳] 馬の頭を並べ立てて大将軍(=義経)の矢面(=矢の飛んでくる方)に立ちふさがったので。
③
いっぱいになる。詰まる。
出典徒然草 二一一
「左右(さう)広ければさはらず。前後遠ければふさがらず」
[訳] 左右が広ければ、さえぎられない。前後が遠く離れているといっぱいにならない(=ゆとりがある)。
④
(思いが胸に)いっぱいになる。
出典奥の細道 旅立
「前途三千里の思ひ胸にふさがりて」
[訳] 行く先三千里の(旅の)思いが胸にいっぱいになって。
⑤
陰陽道(おんようどう)で、「ふさがり(=凶神がいてふさいでおり、不吉な方角)」の方角に当たっている。⇒かたふたがり
ふたが・る 【塞がる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
詰まる。ふさがる。
②
悪い方角に当たっている。▽陰陽道(おんようどう)でいう。
出典枕草子 かへる年の
「今宵(こよひ)、方のふたがりければ、方違(かたたが)へになむいく」
[訳] 今夜は、方角が悪い方角に当たっていたので、方違えに行く。
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