学研全訳古語辞典 |
よそ・ふ 【寄そふ・比ふ】
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
①
くらべる。引き寄せてくらべる。たとえる。
出典源氏物語 桐壺
「花・鳥の色にも音(ね)にもよそふべき方(かた)ぞなき」
[訳] (桐壺更衣(きりつぼのこうい)の美しさは)花の色にも、鳥の声にもくらべられる方法がない。
②
関係づける。かこつける。ことよせる。
出典古今集 恋三
「思ふどちひとりひとりが恋ひ死なば誰(たれ)によそへて藤衣(ふぢごろも)着む」
[訳] ひそかに思い合っている私たち二人のうち、どちらか一人が恋い焦がれて死んだなら、(忍ぶ仲なので)いったいだれの死にかこつけて喪服を着ようか。
参考
「よそふ」と「なずらふ」の違い 「よそふ」に似た意味の言葉として「なずらふ」があるが、「よそふ」が、あるものにほかのものを寄せて関係づけるという意味を表すのに対して、「なずらふ」は、あるものとほかのものとを同じものとして見るという意味を表す。
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