古語:

寄すの意味

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学研全訳古語辞典

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よ・す 【寄す】

[一]他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


近づける。近寄らせる。寄せる。よこす。


出典万葉集 三四五四


「今夜(こよひ)だに夫(つま)よし来(こ)せね麻手(あさて)小衾(こぶすま)」


[訳] せめて今夜だけでも夫を(私に)近づけておくれ。麻の布団よ。


[二]他動詞サ行下二段活用

{語幹〈よ〉}


近づける。近寄らせる。寄せる。


出典万葉集 一二二三


「海(わた)の底(=枕詞(まくらことば))沖漕(こ)ぐ舟を辺(へ)によせむ風も吹かぬか波立たずして」


[訳] 沖を漕ぐ舟を岸辺に近づけるような風が吹かないかなあ。波は立たないままで。


相手に送る。贈る。寄進する。


出典徒然草 二五


「御堂殿(みだうどの)の作りみがかせ給(たま)ひて、庄園(しやうゑん)多くよせられ」


[訳] 御堂殿(=藤原道長(ふじわらのみちなが))が(法成(ほうじよう)寺を)きれいにお造りになられて、(寺の土地として)荘園をたくさんご寄進されて。


(心を)寄せる。頼りにする。ゆだねる。


出典古今集 秋上


「心ひとつを誰(たれ)によすらむ」


[訳] たった一つの心をだれに寄せるのだろうか。


口実にする。かこつける。関係づける。


出典源氏物語 手習


「横川(よかは)に通ふ道のたよりによせて、中将ここにおはしたり」


[訳] 横川に通う道のついでにかこつけて、中将はここにおいでになった。


[三]自動詞サ行下二段活用

活用{せ/せ/す/する/すれ/せよ}


寄る。うち寄せる。


出典万葉集 二八八


「わが命真幸(まさき)くあらばまたも見む志賀の大津によする白波」


[訳] 私の命が無事であったなら、ふたたび見られるであろう。志賀の大津の海岸にうち寄せる白波を。


攻め寄せる。敵陣に押し寄せる。


出典平家物語 一一・弓流


「敵(かたき)やよすると遠見し給(たま)へば」


[訳] 敵が攻め寄せてくるかと遠見をなさると。








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