学研全訳古語辞典 |
ふう-・ず 【封ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
①
封をする。封じる。
出典霊異記 中
「怪しびて蔵にふうず」
[訳] (僧たちは)不思議に思って蔵に封をする。
②
(神仏の力や念力で)押さえ込む。封じ込める。
出典源氏物語 若菜下
「物の怪(け)に向かひて物語し給(たま)はむもかたはらいたければ、ふうじ込めて」
[訳] (源氏は)物の怪に向かってお話なさるのも、それも見苦しくきまりが悪いので、(物の怪を一室に)封じ込めて。
③
禁止する。
ふん-・ず 【封ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
封(ふう)をする。封じる。
出典枕草子 心もとなきもの
「文(ふみ)を得て、かたくふんじたる続飯(そくひ)などあくるほど」
[訳] (愛する人の)手紙をもらって、かたく封をしている糊(のり)を開けるときは、(とてもじれったい)。◆「ふうず」の変化した語。
ほう-・ず 【封ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
領地を与えて、そこの支配者に取り立てる。
出典平家物語 六・葵前
「男(なん)は侯(こう)にだもほうぜられず」
[訳] 男は諸侯にさえも取り立てられない。
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