学研全訳古語辞典 |
く-・す 【屈す】
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
気がめいる。気がふさぐ。
出典源氏物語 少女
「いとつれづれに思ひてくし侍(はべ)れば」
[訳] たいそうものさびしく思ってめいっておりましたので。◆「くっす」の促音「っ」が表記されない形。
くっ-・す 【屈す】
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
①
気がめいる。心がふさぐ。
出典枕草子 五月の御精進のほど
「なほこの事に宿世(すくせ)なき日なめりと、くっして」
[訳] やはりこの事(歌)に縁のない日であるようだと、気がめいって。
②
服従して敬う。
出典今昔物語集 九・三〇
「君が才学(ざいがく)を聞きて、くっしてこの官に備へむとて」
[訳] あなたの学才あることを聞いて、服従し敬ってこの官職につけようとして。◆「くす」「くんず」とも。
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
折り曲げる。
出典太平記 二〇
「膝(ひざ)をくっし」
[訳] 膝を折り曲げて。
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