学研全訳古語辞典 |
かす-か・なり 【幽かなり・微かなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
かすかだ。微妙だ。
出典源氏物語 明石
「塩焼く煙(けぶり)かすかにたなびきて」
[訳] 塩を焼く煙がかすかにたなびいて。
②
ひっそりしている。物さびしい。人目につかない。
出典源氏物語 須磨
「いとかすかに出(い)で立ち給(たま)ふ」
[訳] たいそうひっそりとしてご出発になる。
③
貧弱だ。
出典源氏物語 行幸
「かすかなる足弱き車など」
[訳] 貧弱な、車輪のしっかりしていない車などは。
④
幽遠だ。▽奥深く暗示的であるようす。
出典去来抄 先師評
「格高く趣かすかにして」
[訳] 品格も高く、風情も幽遠であって。
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