学研全訳古語辞典 |
いう-げん・なり 【幽玄なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
優雅で深い味わいがある。奥深く神秘的だ。
出典愚管抄 四
「内裏(だいり)の御事はいうげんにて、やさやさとのみ思ひならへる人の言ふなるべし」
[訳] 宮中に関する事柄は優雅で深い味わいがあって、とても優美なものと思いこんでいる人の言うことであろう。
②
閑寂だ。
出典一言芳談
「いうげんなる棲(すみか)にうそぶきたるばかりを持(も)て」
[訳] 閑寂な住まいに平然と暮らしているだけで。
③
深い余情が言外に漂っている。
出典御裳濯河歌
「鴫(しぎ)立つ沢のと言へる、心いうげんに、姿及びがたし」
[訳] 鴫立つ沢のと詠んだ歌(⇒こころなき…。)は、内容に深い余情が言外に漂っており、表現も追いつくのがむずかしい。
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