学研全訳古語辞典 |
よろこび 【喜び・悦び】
①
喜ぶこと。
出典土佐日記 二・七
「都近くなりぬるよろこびに堪へずして」
[訳] 都が近くなった喜びにこらえきれないために。
②
喜び事。祝い事。慶事。
出典徒然草 七六
「嘆きもよろこびもありて、人多く行きとぶらふ中に」
[訳] 嘆き事も喜び事もあって、人が多く訪問する中に。
③
任官・昇進などの慶事。
出典更級日記 初瀬
「たのむ人だに、人のやうなるよろこびしてばとのみ思ひわたる心地、たのもしかし」
[訳] 頼みとする夫さえ、人並みに任官の喜びを得てくれたらとばかり思い続ける気持ちは、楽しみなことである。
④
お礼。任官や昇進のお礼。
出典枕草子 よろこび奏するこそ
「よろこび奏するこそをかしけれ」
[訳] 任官・叙位のお礼を申し上げるのこそ趣あるものである。
⑤
お祝いの言葉。祝辞。
出典古今集 雑上
「にはかに冠(かうぶり)賜はれりければ、よろこび言ひ遣はすとて」
[訳] 急に位階(五位)をいただいたものだから、お祝いの言葉を言ってやるといって。
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