学研全訳古語辞典 |
しょ 【書】
①
文字を書くこと。また、その書き方。書道。
②
書いた文字。
③
文書。書物。
④
手紙。
⑤
『書経(しよきよう)』の略。中国の経典(けいてん)の一つ。
ふみ 【文・書】
①
書物。文書。漢籍。
出典枕草子 うつくしきもの
「男児(をのこご)の、声は幼げにてふみ読みたる、いとうつくし」
[訳] 男の子が、声はいかにも幼そうなようすで漢籍を読んでいるのは、とてもかわいらしい。
②
手紙。
出典金葉集 雑上
「大江山(おほえやま)いく野の道の遠ければまだふみもみず天(あま)の橋立(はしだて)」
[訳] ⇒おほえやま…。
③
学問。漢学。
出典徒然草 一
「ありたきことは、まことしきふみの道」
[訳] 身につけたいことは、正式な学問の道。
④
漢詩。
出典枕草子 木の花は
「唐土(もろこし)には限りなきものにて、ふみにも作る」
[訳] (梨(なし)の花は)中国ではこの上なくすばらしいものとして、漢詩にも作る。
参考
「文」はふつうの手紙以外に、恋文の意味でも使われる。恋文を意味する言葉に「懸想文(けさうぶみ)」があるが、恋文はふつう和歌の形式をとる。もらった歌に対する返事を「返し(歌)」という。
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