学研全訳古語辞典 |
わづらは・し 【煩はし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
面倒だ。やっかいだ。複雑だ。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「宮仕へ仕うまつらずなりぬるも、かくわづらはしき身にてはべれば」
[訳] 帝(みかど)にお仕え申し上げないままになってしまいましたのも、このように面倒な身の上でございますので。
②
気遣いされる。気を遣う。はばかられる。けむたい。
出典源氏物語 桐壺
「この御方の御いさめをのみぞ、なほわづらはしく心苦しう思ひ聞こえさせ給(たま)ひける」
[訳] (帝(みかど)は)このお方(=弘徽殿女御(こきでんのにようご))のご意見だけは、やはり気遣いされつらくお思い申し上げなさるのであった。
③
病気が重い。
出典徒然草 四二
「なほわづらはしくなりて、死ににけり」
[訳] いっそう病気が重くなって、死んでしまった。
煩はしのページへのリンク |