学研全訳古語辞典 |
わづら・ふ 【煩ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
苦しむ。悩む。困惑する。
出典万葉集 八九七
「かにかくに思ひわづらひ音(ね)のみし泣かゆ」
[訳] あれこれと思い悩み、ただもう声に出して泣けてくることだ。
②
病気になる。病む。
出典枕草子 にくきもの
「にはかにわづらふ人のあるに、験者(げんざ)もとむるに」
[訳] 急に病気になる人がいるときに、(病気を治す)修験者(しゆげんじや)を探し求めるが。
③
煩わしい思いをする。苦労する。難儀する。手間をかける。
出典源氏物語 橋姫
「川のこなたなれば、舟などもわづらはで」
[訳] 川のこちらがわなので、舟などの手間をかけないで。
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
〔動詞の連用形に付いて〕…するのに困る。…するのに苦労する。…するのに悩む。
出典更級日記 富士川
「勢多(せた)の橋みな崩れて、渡りわづらふ」
[訳] 勢多の橋がみんな崩れ落ちて、渡るのに苦労する。
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