学研全訳古語辞典 |
なま-じひ・なり 【生強ひなり・憖なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
できもしないのに、無理にする。無理やりだ。
出典万葉集 六一三
「物思(も)ふと人に見えじとなまじひに常の面(おもへり)ありぞかねつる」
[訳] 物思いをしていると他人に見られまいと、無理やり普通の顔をしようとしてもとてもできなかった。
②
しなくてもよいのにしてしまう。なまじっかする。
出典徒然草 一五〇
「よくせざらん程は、なまじひに人に知られじ」
[訳] (芸を)上手にやれないうちは、なまじっか人には知られまい。
③
中途半端だ。いいかげんだ。
出典平家物語 一・祇王
「今生(こんじやう)も後生(ごしやう)もなまじひにし損じたる心地にてありつるに」
[訳] 現世も来世も中途半端にやりそこなった気持ちがするので。◆「なましひなり」とも。
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