学研全訳古語辞典 |
やつ・る 【俏る・窶る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
目立たなくなる。みすぼらしくなる。粗末になる。簡素になる。
出典源氏物語 若紫
「いといたうやつれ給(たま)へれど、しるき御さまなれば」
[訳] たいそうひどく目立たなくしていらっしゃるが、(普通の人でないことは)はっきりわかるごようすなので。
②
衰える。見ばえがしなくなる。
出典源氏物語 玉鬘
「いと若かりしほどを見しに、太り黒みてやつれたれば」
[訳] とても若かったころを見たが、太って色が黒くなり、見ばえがしなくなっていたので。
参考
現代語「やつれる」が持っている「やせ衰える」の意味はない。②の用例のように、中古には「太る」と「やつる」が矛盾なく同時に用いられてさえいる。
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