学研全訳古語辞典 |
こま-か・なり 【細かなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
極めて小さい。こまごましている。
出典源氏物語 真木柱
「こまかなる灰の目鼻にも入りて」
[訳] (香炉の)極めて小さい灰が目や鼻にも入って。
②
親密だ。親切だ。
出典伊勢物語 九四
「子ある仲なりければ、こまかにこそあらねど、時々物言ひおこせけり」
[訳] 子供がいる間柄であったので、親密にというのではないが、ときどき便りをしてきた。
③
詳しい。綿密だ。
出典源氏物語 須磨
「道のほどもあやふければ、こまかには聞こえ給(たま)はず」
[訳] 道のようすも不確実であるので、詳しくは申し上げなさらない。
④
きめが細かい。細部まで整っていて美しい。精妙だ。
出典紫式部日記 寛弘五・八・二六
「少し起き上がり給(たま)へる顔の、うち赤み給へるなど、こまかにをかしうこそ侍(はべ)りしか」
[訳] 少し起き上がりなさった顔の、少し赤みがさしていらっしゃるところなど、きめが細かく美しゅうございました。
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