学研全訳古語辞典 |
しげ・し 【繁し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
(草木が)茂っている。
出典万葉集 二九
「春草のしげく生ひたる」
[訳] 春の草が茂り生えている。
②
多い。たくさんある。
出典今昔物語集 二九・一八
「人しげくありきければ、人の静まるまでと思ひて」
[訳] 人が多く行き来していたので、人がいなくなるまでと思って。
③
絶え間がない。しきりである。
出典徒然草 一九
「公事(くじ)どもしげく、春の急ぎにとり重ねて催し行はるるさまぞ、いみじきや」
[訳] 宮中の行事も絶え間なく、新年を迎える支度に加えて開催し行われるようすは、実にすばらしいことだなあ。
④
多くてうるさい。多くてわずらわしい。
出典伊勢物語 六九
「されど、人目しげければ、え逢(あ)はず」
[訳] しかし、人目が多くてうるさいので、どうしても会うことができない。
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