学研全訳古語辞典 |
いら-な・し 【苛なし】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
(程度が)甚だしい。
出典大和物語 一六八
「さぶらふ人々もいらなくなむ泣きあはれがりける」
[訳] お仕え申し上げる人々も甚だしく泣いていたましく思った。
②
大げさだ。仰々しい。
出典徒然草 五四
「印(いん)ことことしく結び出(い)でなどして、いらなく振る舞ひて」
[訳] (僧たちは)印を仰々しく結んで作り出したりして、大げさに振る舞って。
③
(物の状態などが)強い。鋭い。
出典宇治拾遺 一〇・六
「明け暮れはいらなき太刀をみがき」
[訳] 毎日は、鋭い太刀をみがき。
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