学研全訳古語辞典 |
じゅつ-な・し 【術無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
どうにも方法がない。どうしようもない。つらい。せつない。「ずちなし」「ずつなし」とも。
出典沙石集 二
「飢渇(けかつ)の苦しみに責められて、じゅつなく候ふに」
[訳] 飢えと渇きの苦しみに責められて、どうしようもございませんのに。
ずち-な・し 【術無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
「じゅつなし」に同じ。
出典枕草子 里にまかでたるに
「『妹のあり所申せ、申せ』と責めらるるに、ずちなし」
[訳] 「妹の居所を申せ、申せ」と責められるので、どうしようもない。
ずつ-な・し 【術無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
「じゅつなし」に同じ。
出典今昔物語集 二〇・六
「すべて、翼打ちおられて、たへがたく、ずつなく候ふ」
[訳] すべての翼が打ち折られて、がまんできなく、どうにも方法がなくございます。
すべ-な・し 【術無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
なすべき方法がない。どうしたらよいかわからない。また、つらい。苦しい。
出典万葉集 八九二
「かくばかりすべなきものか世間(よのなか)の道」
[訳] ⇒かぜまじり…。
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