学研全訳古語辞典 |
たい-てん 【退転】
①
修行を怠って、それまでに得た悟りの境地や地位が、もとの状態に戻ること。
出典今昔物語集 一・五
「この施(せ)を受けては苦行たいてんしなん」
[訳] この施しを受けてしまったら、(これまでの)苦行(で得た境地が)もとに戻ってしまうだろう。◇仏教語。
②
しだいに衰えること。しだいになくなること。
出典平家物語 二・山門滅亡
「講演磨滅して、堂々の行法(ぎやうぼふ)もたいてんす」
[訳] 仏説の講義や説法はすたれて、(それぞれの)僧堂僧堂での仏法の修行もしだいに衰える。
③
絶えてなくなること。中断すること。
④
家が断絶すること。破産して、その地位を失うこと。
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