学研全訳古語辞典 |
すご・す 【過ごす】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
やり過ごす。
出典宇治拾遺 一一・八
「すごし立てて太刀を抜きて打ちければ」
[訳] (追ってくる強盗を)やり過ごしておいて太刀を抜いて切りつけると。
②
時を過ごす。年月を送る。
出典源氏物語 藤裏葉
「三日すごしてぞ」
[訳] 三日たって。
③
暮らす。生活する。
出典源氏物語 若紫
「かくてはいかでかすごし給(たま)はむ」
[訳] こんなことではどうやって生活しなさるのか。
④
そのままにしておく。
出典源氏物語 葵
「常よりも見所(みどころ)ありて、すごし難きほどなり」
[訳] いつもより見る価値があって、そのままにしておきにくいぐらいである。
⑤
養う。
出典蛤の草紙 御伽
「母をすごし候はんことの嬉(うれ)しさよ」
[訳] 母を養いますことのうれしいことよ。
参考
「すぐす」の変化した語。中古までは「すぐす」が一般的で、中世以降「すごす」が優勢となる。
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