学研全訳古語辞典 |
すぐ・す 【過ぐす】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
時を過ごす。年月を送る。暮らす。
出典更級日記 子忍びの森
「明くるより暮るるまで、東の山ぎはをながめてすぐす」
[訳] 夜が明けてから暮れるまで、私は東の山際を眺めて過ごす。
②
終わらせる。すませる。
出典大和物語 九四
「御忌みなどすぐしては」
[訳] 御喪などをすませては。
③
そのままにしておく。うち捨てておく。
出典発心集 六
「いかばかりのことかあらんと、思ひあなづりてすぐすほどに」
[訳] どれほどのことがあるだろうかと、高をくくってそのままにしておくうちに。
④
年をとる。ふける。年上である。
出典源氏物語 桐壺
「女君は少しすぐし給(たま)へるほどに」
[訳] 女君(=葵(あおい)の上)は、(源氏の君より)少し年上でいらっしゃる年齢で。
⑤
度をこす。やりすぎる。
出典宇治拾遺 一〇・一
「左の大臣(おとど)は、すぐしたる事もなきに、かかるよこざまの罪にあたるを」
[訳] 左大臣は度をこしたこと(=過ち)もないのに、このような無実の罪を受けるのを。
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