学研全訳古語辞典 |
さと-ずみ 【里住み】
①
内裏(だいり)から退出して自宅に住むこと。▽「内裏(うち)住み」に対していう。
出典源氏物語 桐壺
「心安くさとずみもえし給(たま)はず」
[訳] 気楽に自宅に住むこともおできにならない。
②
宮仕えなどをしないで、家庭で暮らすこと。
出典更級日記 宮仕へ
「定まりたらむさとずみよりは、をかしき時をも見聞きて」
[訳] 型にはまったような家庭で暮らすことよりは、(宮仕えの方が)趣の深いことをも見聞きして。
③
(出家または寺ごもりの意思を果たせず)人里に住むこと。俗世間に住むこと。▽「山(やま)住み」に対していう。
出典蜻蛉日記 中
「人に言ひ妨げられて、今までかかるさとずみをして」
[訳] 人に言われ(出家を)さまたげられて、今までこのような俗世間の暮らしをして。
里住みのページへのリンク |