学研全訳古語辞典 |
けは・し 【険し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
(山・坂などが)険しい。険阻(けんそ)である。
②
(風・波などが)激しい。荒々しい。
出典源氏物語 総角
「夜の、気色(けしき)いとどけはしき風の音に」
[訳] 夜になって、あたりのようすはよりいっそう激しい風の音がする中で。
③
てごわい。きびしい。
④
あわただしい。せわしい。
けわし 【険し】
⇒けはし
さが・し 【険し・嶮し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
(山などが)険(けわ)しい。
出典宇津保物語 俊蔭
「いただき天につきてさがしき山はるかに見ゆ」
[訳] 頂上は天につくほどで険しい山がはるかに見える。
②
危ない。危険である。
出典源氏物語 夕顔
「この葛城(かづらき)の神こそ、さがしうしおきたれ」
[訳] この葛城の神が(打ち橋を)危なくこしらえておいたものだ。◇「さがしう」はウ音便。
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