学研全訳古語辞典 |
かう-し 【格子】
寝殿造りの建具の一つ。細い角材を一定の間隔で縦横に組み合わせた黒塗りの戸。建物の柱と柱の間にはめる。上下二枚に分かれ、上だけを外側につり上げて開き、下は固定してある。開放するときは上下とも取りはずすこともある。
出典枕草子 雪のいと高う降りたるを
「雪のいと高う降りたるを、例ならず御かうしまゐりて」
[訳] 雪がずいぶん高く降り積もっているのに、いつもと違って格子をお下ろし申して。
参考
(1)格子の上の方を上げて開くことを「格子上あぐ」といい、下げて閉じることを「格子下ろす」という。「御み格子参る」は、格子をお上げするの意味にも、格子をお下ろしするの意味にもなるから、文脈をよく考えて判断する必要がある。(2)「格子」というと、「蔀(しとみ)」をさすことも多い。
こうし 【格子】
⇒かうし
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