学研全訳古語辞典 |
あひおもはで…
分類和歌
「相思はで離(か)れぬる人をとどめかねわが身は今ぞ消え果てぬめる」
出典伊勢物語 二四
[訳] お互い愛し合うことなく離れていってしまった人を引き止めることができず、わたしの身は、今、消え果ててしまうようだ。
鑑賞
男が妻を残して宮仕えに出かけ、三年後に戻るが、その時妻の再婚を知り、妻の幸せを願いながらその場を立ち去るのを、妻は追いかけ、とうとう倒れてしまった。その時そこにあった岩に指の血で書きつけた歌という。どちらの男の愛も得ることができず死んでゆく女の哀れ深い話である。
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