学研全訳古語辞典 |
いろ・ふ 【綺ふ】
いろ・ふ(イロウ)
【綺ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
かかわる。口出しする。干渉する。
出典徒然草 七七
「いろふべきにはあらぬ人の、よく案内(あない)知りて人にも語り聞かせ」
[訳] かかわるはずでない人が、よく事情を知っていて人にも語り聞かせ。
【弄ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
手を触れる。いじる。
出典鑓権三 浄瑠・近松
「下女・中間(ちゆうげん)にもいろはせず」
[訳] 下女や中間にも手を触れさせず。
いろ・ふ 【色ふ・彩ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
美しい色になる。
出典和泉式部集
「いかばかり思ひおくとも見えざりし露にいろへる撫子(なでしこ)の花」
[訳] どれほど心にとどめていても見えなかった露にぬれて美しい色になったなでしこの花だ。
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
①
美しく彩る。彩色する。
出典平家物語 一一・那須与一
「赤地の錦(にしき)をもって大領(おほくび)・端袖(はたそで)いろへたる直垂(ひたたれ)に」
[訳] 赤地の錦で前襟(まええり)と端袖を美しく彩ってある直垂に。
②
(文章などに)工夫をこらす。
出典風姿花伝 一
「安き所を少な少なといろへてせしかども」
[訳] 無造作な所を少しずつ工夫をこらしてしたが。
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