学研全訳古語辞典 |
おし-な・ぶ
活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}
(一)
【押し靡ぶ】押しなびかせる。「おしなむ」とも。
出典万葉集 四〇一六
「すすきおしなべ降る雪に」
[訳] すすきを押しなびかせて降る雪に。
(二)
【押し並ぶ】
①
すべて同じように行きわたる。
出典蜻蛉日記 下
「さきに焼けにし憎所(にくどころ)此度(こたみ)はおしなぶるなりけり」
[訳] 前に(一部分)焼けた憎い女の家が、今度はすべて同じようにゆきわたった(=全焼した)のであったよ。
②
並である。普通である。
出典源氏物語 帚木
「おしなべたらぬ若人どもに」
[訳] 並でない(=美しい)若い女房たちに。◆(二)の「おし」は接頭語。
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