学研全訳古語辞典 |
お・る 【愚る・痴る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
愚かしくなる。放心状態になる。
出典源氏物語 少女
「おのづから、おれたる事こそ出(い)で来(く)べかめれ」
[訳] (子供のことでは)自然に愚かしくなっていることが出て来るはずのようだ。
おる 【折る】
⇒をる
お・る 【織る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
糸で布を作る。
出典万葉集 一二八一
「君がため手力(たぢから)疲れおりたる衣(きぬ)ぞ」
[訳] ⇒きみがためたぢからつかれ…。
お・る 【降る・下る】
活用{り/り/る/るる/るれ/りよ}
①
(高い所から)おりる。
出典徒然草 一〇九
「かばかりになりては、飛び降るるともおりなん」
[訳] これくらい(の高さ)になったからには、飛びおりてもおりることができるだろう。
②
(馬・車などから)下りる。
出典更級日記 子忍びの森
「馬よりおりて、そこにふた時なむながめられし」
[訳] 馬から下りて、そこで四時間ほど(=かなり長い間)物思いに沈まないではいられなかった。
③
退出する。下がる。
出典伊勢物語 六五
「曹司(ざうし)におり給(たま)へれば」
[訳] (女が)自分の部屋に下がりなさっていると。
④
退位する。
出典大鏡 序
「おのれは水尾(みづのを)の帝(みかど)のおりおはします年の、正月(しやうぐわち)望(もち)の日に生まれて侍(はべ)れば」
[訳] 私は水尾の帝(=清和天皇)がご退位あそばす年(=貞観(じようがん)十八年)の、正月十五日に生まれておりますので。
⑤
(神霊が)乗り移る。
出典平家物語 一・願立
「山王おりさせ給(たま)ひて、やうやうの御託宣こそ恐ろしけれ」
[訳] 山王が(巫女(みこ)に)お乗り移りになられて、お告げがあったのは恐ろしいことである。
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