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おれの意味

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学研全訳古語辞典

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おれ 【己】

代名詞

おまえ。きさま。▽対称の人称代名詞。下位の者に対して、または、相手を卑しめて言う。


出典枕草子 賀茂へまゐる道に


「おれ鳴きてこそ我は田植うれ」


[訳] (ほととぎすよ)おまえが鳴くので、おれは田植えをするのだ。


わたし。▽自称の人称代名詞。相手が同等、または目下のときに言うことが多い。男女の区別なく用いた。


出典好色一代男 浮世・西鶴


「おれは胡桃和(くるみあ)への餠(もち)を飽(あ)くほど」


[訳] わたしはくるみ和えの餠を腹いっぱい(食べたい)。


語の歴史

対称の「おれ」は、記紀から例が見えるが、平安時代には『枕草子』に一例ある程度で、貴族社会、特に女子の間では下品な語として嫌われていたらしい。鎌倉時代には、下層貴族・武士・庶民などが主人公として登場する説話文学に例が目立つが、室町時代になって自称の「おれ」の用法が広まるとともに消えて行く。自称の「おれ」は、鎌倉時代にも散見するが、室町時代から盛んに使われ出した。はじめ、男女の別なく用いられたが、江戸時代後期ごろから、女性の使用は絶えた。








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