学研全訳古語辞典 |
かなし・む
活用{ま/み/む/む/め/め}
(一)
【愛しむ】
①
かわいいと思う。いとしく思う。
出典今昔物語集 二六・五
「端正(たんじやう)美麗なる男子(なんし)を産めば、父母、これをかなしみ愛して」
[訳] 端正で美しい男の子を産んだので、父母はこの子をかわいいと思い愛して。
②
すばらしいと思う。
出典今昔物語集 九・一
「『わが孝養(けうやう)の心の深きをもって天の賜へるなり』と喜びかなしんで」
[訳] 「私の孝心が深いので天がくださったのだ」と喜び、すばらしく思って。◇「かなしん」は撥(はつ)音便。
(二)
【悲しむ・哀しむ】悲しく思う。悲しむ。
出典徒然草 一〇
「からすの群れゐて池の蛙(かへる)をとりければ、ご覧じかなしませ給(たま)ひてなん」
[訳] からすが集まって(屋根に)とまって池の蛙をとったので、ご覧になってかわいそうに思いなさって。
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