学研全訳古語辞典 |
け-りゃう 【仮令】
①
一体に。たいがい。およそ。
出典吾妻鏡
「けりゃう五万騎に及ぶべし」
[訳] およそ五万騎に及ぶであろう。
②
たとえば。
出典風姿花伝 二
「けりゃう、木樵(きこり)・草刈り・炭焼き・汐汲(しほく)みなどの風情にもなるべき態(わざ)をば」
[訳] たとえば、木樵・草刈り・炭焼き・汐汲みなどといった趣のあるしぐさにもなり得るような姿態は。
③
〔多く、下に「…ばこそ」を伴って〕たまたま。さいわいに。
出典薩摩歌 浄瑠・近松
「けりゃう道を守ればこそ、もし気がそれていたづらしたら」
[訳] たまたま(女の)道を守っていればこそ(よかったようなものの)、もし心が離れて、不義をしたら。
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