学研全訳古語辞典 |
ござ-な・し 【御座無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
いらっしゃらない。▽「無し」の尊敬語。
出典太平記 二
「主上はござなくて」
[訳] 天皇はいらっしゃらなくて。
②
ありません。ございません。▽「無し」の丁寧語。
出典安宅 謡曲
「定めて勧進帳のござなきことは候ふまじ」
[訳] 絶対に勧進帳がございませんはずはありますまい。
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
…(で)いらっしゃらない。▽補助形容詞「無し」の尊敬語。
出典摂待 謡曲
「もし判官殿(はうぐわんどの)にてはござなく候ふか」
[訳] もしや判官殿ではいらっしゃいませんか。
②
…(で)ありません。▽補助形容詞「無し」の丁寧語。
出典舟弁慶 謡曲
「別にお気づかひなさるるほどの事にてはござない」
[訳] 格別お気遣いくださるほどのことではありません。◇「ござない」は口語。
参考
「御座有り」の否定形で、中世以後の語。
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