学研全訳古語辞典 |
これがまあ…
分類俳句
「是がまあ終(つひ)の住(す)み処(か)か雪五尺」
出典七番日記 俳文・一茶(いつさ)
[訳] 帰り住むことを決心して、漂泊の旅から戻った故郷。目の前には五尺にもなる深い雪、この雪の中の地が自分の最後のすみかとなるのかと思うと、深いため息がわいてくる。
鑑賞
五十歳の一茶がようやく定住する決意をかためて、故郷の信濃(しなの)の国柏原(かしわばら)村(=今の長野県上水内(かみみのち)郡信濃町柏原)へ帰郷した折の作。父の遺産をめぐる継母・異母弟との争いが決着しておらず、「是がまあ」という嘆声には、そうしたことも含めた複雑な感慨がこもっており、句は一見滑稽(こつけい)みもうかがえるが、一茶にとっては悲惨さが先である。季語は「雪」で、季は冬。
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