学研全訳古語辞典 |
こむといふも…
分類和歌
「来こむと言ふも来(こ)ぬ時あるを来(こ)じと言ふを来(こ)むとは待たじ来(こ)じと言ふものを」
出典万葉集 五二七・大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)
[訳] 「来よう」と言っても、来ない時があるのに、「来ないつもりだ」と言うのを、来るだろうとは待つまい、来ないつもりだと言うのに。
鑑賞
大伴坂上郎女が藤原麻呂(ふじわらまろ)の歌に答えた歌。「来む」「来じ」はいずれも麻呂のことばで、それをそのまま歌に取り込み、さらに、各句の冒頭に「来」を置いて、頭韻としている。非常に技巧的な歌でその分深刻さに欠け、戯れの要素の強い歌となっている。
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