学研全訳古語辞典 |
さう-な・し 【双無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
比べるものがない。比類ない。すばらしい。
出典徒然草 二三一
「園(その)の別当入道はさうなき庖丁者(はうちやうじや)なり」
[訳] 園の別当入道はすばらしい料理人である。
さう-な・し 【左右無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
決着がつかない。どちらとも決められない。
出典枕草子 能因本・清涼殿の丑寅のすみの
「なほ、この事さうなくてやまむ、いと悪(わろ)かるべし」
[訳] やはり、このことが決着がつかなくて終わりになるのは、とてもまずいにちがいない。
②
無造作だ。あれこれ考えるまでもない。簡単だ。
出典平家物語 一・殿下乗合
「幼き者にさうなく恥辱を与へられけるこそは」
[訳] 幼い者に無造作に恥ずかしい思いをさせなさったのは。◆「左右」は「あれこれ」の意。
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