学研全訳古語辞典 |
さ
そいつ。▽他称の人称代名詞。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「さが髪をとりて、かなぐり落とさむ」
[訳] そいつの髪をつかんで、荒々しく引きのけ落とそう。
参考
格助詞「が」を伴い、「さが」の形で用いることが多い。
さ-
名詞・動詞・形容詞に付いて、語調を整え、また、語意を強める。「さ夜(よ)」「さ乱る」「さ遠し」
-さ
①
形容詞・形容動詞の語幹に付いて、程度・状態を表す名詞を作る。「恋しさ」「静かさ」。
②
〔多く歌の末句の形容詞の語幹に付き、上の「…の(が)」と呼応して〕…ことよ。▽全体を体言化し、感動の意を表す。
出典万葉集 一一〇二
「細谷川の音のさやけさ」
[訳] 細い谷川の音のすがすがしいことよ。
③
動詞の終止形に付いて、その動作の行われつつある時・場合の意を表す名詞を作る。「行くさ」「来(く)さ」。
④
名詞、または動詞の連体形に付いて、方向を表す名詞を作る。「縦(たた)さ」「入(い)るさ」
さ 【然】
そう。そのように。
出典徒然草 四一
「まことにさにこそ候ひけれ」
[訳] 本当にそうでございました。
さのページへのリンク |