学研全訳古語辞典 |
あから-さま・なり
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
急だ。突然だ。たちまちだ。
出典日本書紀 雄略
「嗔猪(いかりゐ)、草中よりあからさまに出(い)でて人を逐(お)ふ」
[訳] 怒り狂ったいのししが、草の中から急に出てきて人を追う。
②
ほんのちょっとだ。かりそめだ。
出典紫式部日記 寛弘五・一一・一
「あからさまにまかでたるほど、二日ばかりありてしも雪は降るものか」
[訳] ほんのちょっと(私が里に)退出している間、二日ほどたって(あいにくにも)雪が降ったではないか。
③
〔下に打消の語を伴って〕ほんの少しも。かりそめにも。まったく。ちっとも。
出典源氏物語 葵
「大将(だいしやう)の君は、二条院にだに、あからさまにも渡り給(たま)はず」
[訳] 大将の君(=源氏)は、(紫の上のいる)二条院にさえ、まったくお出かけにならない。
④
あらわだ。明白だ。露骨だ。
出典好色一代女 浮世・西鶴
「女はうつくしき肌(はだへ)をあからさまになし」
[訳] 女は美しい肌をあらわにして。
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