学研全訳古語辞典 |
さかひ
《接続》活用語の連体形に付く。〔原因・理由〕…から。…ので。
出典新版歌祭文 浄瑠
「勘六正直者ぢゃさかひ、えらう腹立て召さる」
[訳] 勘六は正直者だから、たいそう腹を立てなさる。◆近世上方語。
堺
分類地名
今の大阪府堺市。特に室町時代、明(みん)や南蛮との貿易による富を背景に発展し、商人による自由都市を作り、独自の社会形態と文化を築いた。
さかひ 【境】
①
境界。
出典更級日記 かどで
「さかひを出(い)でて、下野(しもつけ)の国のいかたといふ所に泊まりぬ」
[訳] 境界を出て、下野の国(栃木県)のいかたという所に泊まった。
②
場所。土地。
出典徒然草 七三
「まして年月過ぎ、さかひも隔たりぬれば、言ひたきままに語りなして」
[訳] まして年月がたって、場所も隔たってくると、言いたいように作り話をして。
③
境遇。境地。
出典徒然草 三八
「もとより賢愚得失のさかひにをらざればなり」
[訳] (真(まこと)の人は)もともと賢愚とか、損得とかの境地にいないからである。
④
熟達の境地。上手の域。
出典徒然草 一八八
「二つのわざ、やうやうさかひに入りければ、いよいよよくしたく覚えて」
[訳] (乗馬と早歌(そうか)の)二つの技能が次第に熟達の境地に入ったので、ますます立派にやりたいと感じて。
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