学研全訳古語辞典 |
ささ 【酒】
酒。◆もと女房詞(にようぼうことば)。
ささ(と)
①
ざざっ(と)。▽水が勢いよく流れたり注ぎかかったりするようすを表す。
出典徒然草 一一四
「あがきの水、前板までささとかかりけるを」
[訳] (牛の)足で蹴(け)立てた水が、(車の)前板までざざっとかかったので。
②
ざわざわ(と)。どっ(と)。▽多数の人が口々に言ったり、一度に笑い出したりするようすを表す。
出典大鏡 道長下
「聴聞衆どもささと笑ひて」
[訳] 説法を聞いている人たちはどっと笑って。
③
さっ(と)。▽動作がすばやいようすを表す。
出典大鏡 道長下
「西ざまに人々のささと走れば」
[訳] 西の方角に人々がさっと走るので。◆擬声語。「さざ(と)」とも。
ささ- 【細・小】
〔主に名詞に付いて〕小さい。細かい。わずかな。「ささ波」。◆後には「さざ」とも。
ささ 【笹・篠】
竹類のうち、小形で茎の細いもの。
さ-さ 【然然】
これこれ。しかじか。▽詳しく述べるべきことを省略して述べるときに用いる。
出典蜻蛉日記 下
「ささの所に月ごろはものせらるる」
[訳] これこれの所に数か月来移り住んでおられます。◆副詞「さ」を重ねたもの。
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