学研全訳古語辞典 |
す・る
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
(一)
【摺る・刷る】
①
型木に布を当て、その上から染料をこすりつけて模様を染め出す。
出典万葉集 一二八一
「君がため手力(たぢから)疲れ織りたる衣(きぬ)ぞ春さらばいかなる色にすりてば好(よ)けむ」
[訳] ⇒きみがためたぢからつかれ…。
②
版木を用いて印刷する。
出典平治物語 下
「聖容(しやうよう)をすり奉る」
[訳] 尊像を印刷し申し上げる。
(二)
【磨る・摩る・擦る・擂る】
①
こすり合わす。こする。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「手をすりのたまへど」
[訳] 手をこすり合わせておっしゃるが。
②
磨(みが)く。とぐ。貝殻などを漆に塗り込んで、とぎ出す。
出典落窪物語 四
「螺(かひ)すりたる櫛(くし)」
[訳] 螺鈿(らでん)を漆に磨(す)り込んだ櫛。
③
墨を硯(すずり)でこすって墨汁を作る。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「御硯の墨すれ」
[訳] 御硯の墨をすれ。
する
使役・尊敬の助動詞「す」の連体形。
出典土佐日記 一・二六
「楫(かぢ)取りして、幣(ぬさ)奉(たいまつ)らするに」
[訳] 船頭に言いつけて、御幣(ごへい)を奉らせると。
する
サ変動詞「す」の連体形。
出典土佐日記 一二・二一
「女もしてみむとてするなり」
[訳] 女(である私)も(日記を書くということを)やってみようと思って、するのである。
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