学研全訳古語辞典 |
だけ
《接続》体言または活用語の連体形に付く。
①
…かぎり。…だけ。▽物事の及ぶ限界・限度を示す。
出典博多小女郎 浄瑠・近松
「伊勢路(いせぢ)へ向けて遁(のが)るるだけは遁れて見ん」
[訳] 伊勢路へ向かって逃げられるかぎりは逃げてみよう。
②
…だけに。…だけあって。▽相応する意を表す。
出典膝栗毛 滑稽
「さすがは田舎だけ、ものが不自由だ」
[訳] さすがに田舎だけあって、ものが不自由だ。
③
〔多く代名詞「これ」「それ」「あれ」などに付いて〕…ぐらい。…ほど。▽程度を表す。
出典春色雪の梅
「せめて飲みしろだけもとってやるがいい」
[訳] せめて飲み代ぐらいはとってやればいい。
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