学研全訳古語辞典 |
て-・けり
分類連語
①
〔「けり」が過去の事柄を伝聞として回想する場合〕…てしまった(そうだ)。…た(そうだ)。
出典伊勢物語 一
「この男、垣間(かいま)みてけり」
[訳] この男は物の透き間からのぞき見してしまった。
②
〔「けり」が今まで気付かなかったことに気が付いて詠嘆する意を表す場合〕…ていることよ。
出典新古今集 冬
「時雨(しぐれ)の雨染めかねてけり山城(やましろ)の常磐(ときは)の森の槙(まき)の下葉は」
[訳] 時雨の雨は紅葉の色に染めることができないでいることよ、山城(の国)の常磐の森の槙の下葉は。◆鎌倉時代の軍記物語などでは「てんげり」の形でも使われた。
なりたち
完了の助動詞「つ」の連用形+過去の助動詞「けり」
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